〜薬剤師 今井 孝浩〜

◎原因によって大きく3つに分けられます。

  • やけど(火傷、熱傷)「高温熱源(60℃以上)」
  • 低温火傷「低温熱源(45℃程度)」
  • その他の原因「酸・アルカリなど化学薬品・高圧電流・放射線など」

◎やけどの程度を表すには広さと深さの基準が使われます。

○広さの基準

人の皮膚全体を100%と考えその何%の面積を火傷したかの指標で表します。

最も簡単で覚えやすく、大まかな面積を容

体を11カ所にわけ(腕(左右)・大腿(左右)・下腿(左右)・胸・腹・背中・お尻・首頭部)を9%ずつ割り振り、陰部の1%を足して100%とします。

子供の場合頭の大きさが大人に比べ相対的に大きいので少し変更した、5の法則を。

また熱傷部位が小さかったり、とびとびの場合、手掌(しゅしょう)法、患者の手掌(しゅしょう)部(手首から指全部)の面積を体表面積のほぼ1%として算定します、ただこの方法は、大きな面積を算定すると誤差が大きくなるので、9の法則と手掌法の加算で算定します。

○深さの基準

やけどの程度 深度 皮膚の外観・症状 治癒日数
Ⅰ度熱傷 表皮まで 発赤・軽い痛み 数日・瘢痕残さない
浅いⅡ度熱傷 真皮上層まで 発赤・水泡・ヒリヒリ 1〜2週瘢痕残さない
深いⅡ度熱傷 真皮深層まで 水泡(底はやや白っぽい) 3〜4週色素沈着瘢痕ケロイド残る事も
Ⅲ度熱傷 真皮全層から皮下組織まで 白色・黒色の皮膚、痛み無し、毛は容易に抜ける 数ヶ月肥厚性瘢痕
軽症:通院可能 中症:一般病院入院 重症:専門・総合病院入院
●Ⅱ度2% ●Ⅱ度顔面。手首を除く10%未満 ●Ⅱ度10%以上
●顔面、手首の熱傷
●気道熱傷
●皮膚損傷や骨折

◎火傷(熱傷)の場合、出来るだけ早く水道水などで熱傷部を冷やす。
軽度の熱傷であれば、痛みを感じなくなるまで(15~30分)冷やす事で症状の悪化を防ぐことが出来る。
冷やした後は、水泡を破らないようにガーゼ等で軽く覆うと良いとされる。
水泡が破れると化膿の可能性がある。

◎低温火傷(使い捨てカイロ、コタツなどが原因)では表面上は軽症に見えても、組織の損傷が深部に達している場合があるので注意が必要です。受診勧奨