〜薬剤師 今井 孝浩〜

●カフェインの薬理作用

カフェインには中枢神経系を興奮させて眠気を払う作用や、疲労感を軽減させる作用があり、通常摂取後30分程でその効果が現れます。

尚、体内で代謝され血中濃度が半減するまでに4〜6時間かかります。

  • 中枢神経刺激作用
  • 心臓刺激(心収縮力増大・心拍数増加)
  • 利尿作用
  • 平滑筋弛緩作用(特に気管支・血管平滑筋)
  • 延髄〜呼吸促進
  • 胃酸及びペプシン分泌促進作用
  • 鎮痛薬の補助作用
  • 基礎代謝促進作用

●カフェインの過剰摂取に注意

カフェインの薬理作用の為、残業や夜勤などの時に眠気予防や気分転換にカフェインを含むコーヒーや栄養ドリンク等を飲む人は多いと思いますが、健康成人の場合健康リスクが増大しない1日のカフェイン摂取量は400mgとされています。

  • コーヒー(マグカップ1杯(237cc)に100〜150mg)
  • 一般的栄養ドリンク剤(50mg)
  • エナジードリンク(80〜150mg)
  • 眠気防止薬(1回量100〜160mg)

風邪薬や鎮痛剤等ににもカフェイン配合のものがあります。

前述の通り、カフェインが体内で代謝され血中濃度の値が半減するまで4~6時間かかります。
この事により、短い時間にカフェインを摂取し続けると、重篤な急性中毒症状が表れることがあります。

中毒症状には、頭痛や吐き気、心拍数の増加、不安感、不眠、下痢、手足の震えなどがあり、嘔吐や意識障害を起こすこともあります。

2015年には国内初めてのカフェイン中毒死が起きました。

カフェインを添加した清涼飲料水が多数販売されている昨今、飲み過ぎには注意しましょう。