〜薬剤師 後藤 君代〜

医薬品は大きくふたつに分類されます。

●一般用医薬品(OTC薬):薬局やドラッグストアなどで販売されている医薬品です。OTC薬とは「Over The Counter」の略でカウンター越しにお薬を販売することからきています。

●医療用医薬品:医師によって処方され、主に処方箋によって出される医薬品です。

OTC薬と医療用医薬品の違いは?
 医療用医薬品は個々の症状に応じて医師によって細かくお薬が選択されています。
 例えば、同じ「かぜ」でも熱、咳、痰、鼻水など出ている症状や予測される症状に応じて出され、Aさんは熱、咳、痰に対してのお薬、Bさんは咳、鼻水にたいしてのお薬など、薬の種類や服用量が違います。
 OTC薬は一般的な症状に対して、予め薬の内容(処方)がメーカーによって決まっています。
 「かぜ」に対する薬の場合は総合感冒薬、咳止め薬、鼻炎薬、解熱薬などです。自分で薬を選択することが出来ますし、年齢に応じて服用量をかえることで、子供からおとなまで幅広く使える薬も多くあります。
OTC薬の上手な使い方は?

―基本的な注意事項を守りましょう―

●添付文書(薬の説明書)は必ず読みましょう。また、薬を飲み終えるまで保存しておいてください。

●1回の服用量を守りましょう。多く飲めばより効くわけではありません。むしろ、思わぬ副作用が出ることがあります。

●服用間隔・服用方法を守りましょう。薬によって1日に飲む回数や飲み方が違います。

●きちんと守ることで、薬の効果が十分に発揮できます。

―その他―

●病気の初期段階での服用にとどめ、症状が改善されない、または悪化するようなら、早めに医療機関に受診しましょう。

薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
 また、現在、服用している薬がある場合は「おくすり手帳」やメモに記録し、OTC薬を購入の際、飲み合わせは大丈夫か必ず聞いて下さい。一緒に服用することで、それぞれの薬の効果が弱くなったり、強く出すぎたり、さらには副作用が出やすくなったりすることがあります。
 藤沢市薬剤師会では、一般用医薬品についての相談ができる薬局には「お薬相談薬局」のシールを店頭に貼って薬局選びの目安となるようにしています。このシールを目安にお店選びをされるのも良いかと思います。
OTC薬の選び方は?
 OTC薬は現在10000種類以上あります。数ある薬の中から自分に合った薬を選ぶことは難しいことですが、お薬選びの一つの目安として、第1類医薬品があります。これは副作用や相互作用などで特に注意を要する成分を含むOTC薬です。最近の第1類医薬品には、医療用医薬品で使われている成分を新たにOTC薬の処方に追加して販売するようになったものが多くあります。現在も医療用医薬品として使われている成分です。
 第1類医薬品の販売は薬剤師のみが対応します。購入の際は薬剤師にきちんと症状を伝え、薬の説明や注意を受けて下さい。

※現在、第1類医薬品は約100種類あります。(表参照:xlsファイル)