トップページ > 藤沢の科学者 > 2014年〜17年掲載分 > 藤沢の科学者~衣替え 〜薬剤師 富山 穣〜 そろそろ花粉症もピークとなり、暖かい日も増えてきました。半袖になるような日も増えてくるのではないでしょうか? 季節に合わせた衣類を選び、体調管理をしていきましょう。 そこで、今回は“衣替え”についてのお話をいたします。 衣替えとは? “衣替え”とは、気温の変化に応じて季節にあった衣服に着替える慣習のことです。 多くは夏は6月1日、冬は10月1日に衣替えを行います。温暖な気候の場所では5月と11月に衣替えをする所もありますが、だいたいは、この日からこの日までに衣替えをしてね、と言う移行期間があります。 衣替えの由来 衣替えの歴史は結構古く、始まりは中国の宮廷にて、旧暦の4月1日と10月1日に夏服と冬服を入れ替えていたことから始まった習慣です。それが日本に渡り、平安時代から日本の文化に根ざしていきました。 当初は年に2回、夏装束と冬装束に替えていましたが、江戸時代の武家社会では年に4回になり、明治維新で新暦が採用されてから夏服は6月1日~9月30日、冬服が10月1日~5月30日となりました。幕府や政府が制度化したことも大きな点で、民間人もそれにならって衣替えをするようになりました。 衣替えをする理由 衣替えは夏の服と冬の服の収納場所を入替えるだけでなく、これまでお世話になった衣類の汚れを確り落として、次のシーズンにも気持ちよく着れるようにする。改めて今の生活に必要・不必要の衣類は無いか確認して、本当に大切で生活に必要な物だけを残す。 毎年変わるトレンドに合わせて新しい洋服を買うのは楽しみの一つですね! 昔の着物は四季に合わせてお洒落な柄を楽しんだといいます。四季が豊かな日本を、より一層楽しむための日本人ならではの習慣なのでしょう。 最近の衣替えは 現代に入ると少し衣替えの意味が変わってきています。 その理由として、 自由を大事にする雰囲気が強くなっている。 職場の服にも、個性を求めることがトレンドになっているため。 職場・学校の一体感より、体調管理など仕事のパフォーマンスを重要視するため。 空調の発達によって、人間の体そのものの体温調整が下手になったため。 四季よりも大切なのはトレンド! 以前より移行期間が長い企業が増えたり、衣替え自体無い企業も有ります。 衣替えを楽しもう♪ 衣替えには昔から伝わってきた習慣や文化があります。 しかしあまりかたくなに守ったりもせず、そして逆に反発せずに、時代に合わせてアレンジして、体温調整のために着る服を選び、おしゃれを楽しみながら、快適な毎日を送りたいですね。