トップページ > 家庭に潜む危険物 > 家庭に潜む危険物Ⅰ(タバコ、食品乾燥剤) 〜薬剤師 後藤 君代〜 家庭には色々なものがあり、口に入れると危険なものを誤って食べたり飲みこんでしまうこともあります。 それら危険なものを口に入れてしまったとき、どのような応急処置をしたら良いのか特に小さい子供が口にしやすいものを中心にお話ししたいと思います。 1.タバコ 子供の誤食で一番多いのがタバコです。「はいはい」をはじめる6カ月頃から8カ月くらいまでがピークです。 灰皿代わりに使った空き缶に残っていた液を飲み込んでしまうこともあります。 子供でタバコ1本分、大人で2本分に含まれるニコチンで死に至ります。特に水に浸っていたものはニコチンが溶け出していてその水を飲むことは吸収されやすく、とても危険です。 《症状・応急処置》 顔色が蒼白くなったり、吐いたり、ぐったりします。ひどい場合は意識がなくなったりけいれんを起こしたりします。 タバコが浸っていた水を飲んだ場合や大量に食べてしまった場合はすぐに受診しましょう。また、乾いたタバコを食べた時に水を飲ませると、かえって胃の中でニコチンが溶け出し危険ですので、気をつけてください。 乾いたタバコを1~2cm食べた時や、食べても大部分吐いてしまったような時は、数時間注意して様子を見ます。4時間以上、変化がなければ問題ありません。 《予防》 空き缶を灰皿代わりに使うのはやめましょう。 子供の見えるところ、手の届くところにタバコを置かないようにしましょう。 2.食品乾燥剤 食品乾燥剤には主にシリカゲルと生石灰があります。シリカゲルは小さな半透明の粒状のものが主流です。これは消化管から吸収されないので家庭用の小さな包装の量くらいを食べても心配はありません。誤って食べてしまったら、コップ半分くらいの水分を取らせ、様子を見てください。眼に入った時はこすらずに流水で洗ってください。 生石灰は吸湿力が強く、水分に触れて熱を発するため、食べると口やのど・食道にやけどを起こすことがあります。新しいものほど吸湿力が高く危険です。 《症状・応急処置》 食べると口やのどがただれ、ものを飲み込めなくなったりします。胃がただれたり出血することもあります。 眼に入るとただれ、角膜潰瘍や失明することもあります。 少量でも食べた場合は口のなかを良く洗いうがいをさせましょう。 牛乳または卵白水(卵1個分の白身をコップ1杯の水で溶いたもの)を飲ませ、受診しましょう。 絶対に吐かせてはいけません。 なめた程度でしたら、様子を見て、痛そうにしていたら、受診しましょう。 眼に入った時はすぐに流水で洗い流し(15分くらい)受診しましょう。 皮膚についたらすぐに払い落し、よく洗ってください。 《予防》 包装材料には「生石灰」または「酸化カルシウム」の表示があります。湿気を帯びやすい煎餅や海苔などの乾燥剤として用いられています。確認して子供の手の届くところには置かないようにし、不要となったらすぐに捨てましょう。 〈参考〉日本中毒情報センター