トップページ > 薬と上手に付き合うための基礎知識 > 薬と上手に付き合うための基礎知識(2) 〜薬剤師~金子 昌弘 大島 崇弘〜 お薬服用編 お薬をもらっていざ飲もうとしたときに「どうやって服用するのだろう」と思われたことはないでしょうか?お薬を有効に使用していただくためには、適切に使用することが大切です。 薬局で聞いてきたのに実際にはどうするの?何気なく服用しているが本当にこの飲み方でいいのかな?など思われたことはないでしょうか。年代により服用のポイントがあります。今回はお子様の内服薬の使い方を。 赤ちゃんや幼児の飲ませ方の基本 粉薬の飲ませ方の基本 飲みにくい粉薬は水で練ったり、飲物や食べ物に混ぜて飲ませます。赤ちゃんの場合は、小さな容器に薬と少量のお水を入れて練り、硬めのペースト状にします。指先につけて頬の内側や上あごに塗って、水やミルクなどを飲ませます。苦い薬の場合はお砂糖などを加えて甘みを増すとよいでしょう。ただし乳児の場合、蜂蜜は避けてください。 この後薬が口に残らないように湯冷ましやミルクなどを飲ませます。あらかじめミルクに溶かしてしまうと、ミルクの味が変わってしまい、ミルク嫌いになってしまうことがありますので避けてください。 離乳食を食べることができる乳幼児や幼児の場合は、飲物や食べ物に混ぜます。小児用のドライシロップや小児用細粒は、甘味や香料により服用しやすくなっています。ただし粉の状態では飲めない場合や、一部のお薬には苦味が強いものもあります。その際にはアイスクリームやゼリーなど、好きな食べ物に混ぜて飲ませることができます。ただし離乳食の主食などに混ぜると味が変わり、それ以降に食べなくなってしまうといけないので避けましょう。なお、お薬を溶かしたり食べ物に混ぜる場合は、飲む直前にしてください。残さず飲みきれるように少量で混ぜることが大事です。また熱いものに混ぜるとお薬が変化してしまうかもしれませんので注意してください。 ごく一部の薬ですが、練ると苦味を隠すためのコーティングが溶けて苦味が強まるものもあります。ジュース(酸性のもの)と混ぜると、お薬によっては苦味が強くなってしまうものもあります。マクロライド系の抗生物質やインフルエンザ治療薬のタミフルなど、苦味の強いお薬の場合はチョコ味やココア味など甘苦さのある方が味を隠すことができます。事前に薬剤師に相談しておくとよいでしょう。市販されているゼリーオブラートは、のど越しがよく溶けにくい顆粒状の薬や漢方薬などの服用に向いています。 <商品例> 酸性タイプ 中性タイプ すっきりとして飲みやすい 苦味のある薬でも飲みやすい おくすり飲めたね ピーチ・いちご・ぶどう・レモン おくすり飲めたね チョコレート おくすりレンジャー いちご・ぶどう・メロン おくすりレンジャー バニラ お薬じょうず服用ゼリー いちご シロップの飲ませ方の基本 服用前によくふってください。もし泡が立ってしまったら正確な量を量るため泡が消えるまでしばらく待ちます。容器のメモリや計量カップ、スポイトなどを使用して、決められた量を服用します。 スプーンやスポイトなどで少しずつ口の奥に含ませるとよいでしょう。哺乳瓶の乳首を使用しても構いません。またスポイト型やおしゃぶり型のお薬飲み器も販売されています。 シロップの場合、甘みや香料が加えてあり飲ませやすい状態になっていますが、苦味の強い場合はお砂糖などを加えて甘みを増すとよいでしょう。 また液状のため汚染に注意しなければなりません。直接容器に口をつけたりしないようにしてください。ふたを使用して飲ませるタイプの容器では、必ず使用後にふたをよく洗って水気を取ってからふたをしてください。 シロップは数種類のお薬が混ざっていることが多いため安定性が悪いことがあり、長期の保管ができないものがあります。しっかりとふたを閉めて冷蔵庫で保管してください。(室温で保管と指示された場合を除く) <商品例> お薬を服用するときの注意は? 赤ちゃんの場合は、お腹がいっぱいだとお薬を飲んでくれません。授乳と重なる場合は授乳の少し前に飲ませるようにしましょう。幼児の場合もお腹いっぱいになってしまうと服用を嫌がることがあります。その際は食事中など様子を見て服用してください。 子どもの場合、肝臓や腎臓などの生理機能が未発達のため、お薬の服用量と服用間隔は医師の指示を守ることが特に必要です。子どもの体重や症状でお薬の種類や量は異なります。兄弟に使用していたお薬を自己判断で使用することがないように注意してください。