〜薬剤師~金子 昌弘 大島 崇弘〜

点耳薬編

点耳薬とは薬液を耳に滴下して使用する薬剤です。一度は聞いたことはあるものの、実際に使用したことのある方は少ないお薬かもしれません。お子様が中耳炎で、抗生物質の内服薬と一緒に点耳薬が処方されることがあります。お薬を有効に使用していただくための点耳薬の使い方と注意を紹介したいと思います。

点耳薬の種類
 中耳炎や外耳炎にかかり耳垂れが出ている症状などに対して、炎症の原因となっている細菌の増殖を抑えたり、死滅させたりするための抗生物質が点耳薬の大半を占めます。また炎症が強い場合には消炎効果の優れたステロイド剤や、硬い耳垢を軟らかくするための耳垢水などがあります。

点耳方法

  1. 点耳の準備
    ①外耳道の清拭
     手を清潔にした後に、分泌物が溜まっている場合は、医師の指示に従って綿棒などで取り除くようにしてください。
    ②お薬の温度を確認
     冷たい薬液を滴下するとめまいを起こすことがあるので、冷たいようなら容器を手で握り体温に近い温度まで温めてから使用してください。
  2. 点耳・耳浴の手順
    ①症状のある耳を上にして、横向きに寝てください。この時、外耳道入口の部分が水平になるように頭の位置を保ちます。②容器の先端が直接耳に触れないようにして、点耳薬を6~10滴滴下します。小児に対しては適宜滴数を減らします(ステロイド剤など医師から滴数の指示を受けている場合は、必ずその滴数を守るようにしてください)。中耳炎の場合は、点耳した後に耳たぶを後上方へ引っ張りながらゆするようにすると、外耳道がまっすぐになり点耳液が中耳の患部に行きわたりやすくなります。鼓膜の穴が小さい場合は唾を飲み込むようにすると効果的です。③点耳後そのままの姿勢で、点耳の指示を受けている場合は2~3分、耳浴の指示を受けているときは約10分のそのままの姿勢を保ちます。④清潔なティッシュペーパーやガーゼ等を耳にあてて起き上がり、耳から流れ出た液を拭き取ってください。⑤耳垢を取り除くことを目的とした点耳薬を使用した場合は、軟らかくなった耳垢だけを綿棒などで取り除いてください。
期限や外観に注意してください
 衛生的に使用することが大切です。お薬の保管は種類によって室温保存でよいものと冷所で保管するものがあります。また使用直前に粉薬を用液で溶かして使用する点耳薬では、溶解後の使用期限が1週間程度のものもあります。保管方法と使用期限を守るようにしてください。
 点耳薬の容器は点眼薬ととてもよく似ています。中には同じお薬の成分で点耳薬と点眼薬の2種類が存在するものもあります。お薬の成分が同じでも濃度や添加物の違いがあるため間違えて使用しないように注意してください。

薬の使用方法がわからないときは薬剤師に確認を
 衛生的に使用することが大切です。お薬の保管は種類によって室温保存でよいものと冷所で保管するものがあります。また使用直前に粉薬を用液で溶かして使用する点耳薬では、溶解後の使用期限が1週間程度のものもあります。保管方法と使用期限を守るようにしてください。
 点耳薬の容器は点眼薬ととてもよく似ています。中には同じお薬の成分で点耳薬と点眼薬の2種類が存在するものもあります。お薬の成分が同じでも濃度や添加物の違いがあるため間違えて使用しないように注意してください。

使用後のお薬管理も大切です
 点耳薬は大きく分けて3種類に分けられ、症状に応じて使い方も異なる場合があります。品質上の管理と使用直前の温度にも注意が必要です。開封後の使用期限が限られているお薬も多いため、以前処方された薬や、購入した薬の残りを使用することは避けるようにしてください。。
 安全に薬を使用していただくために、薬の使用方法で不明な点がありましたら、まず薬剤師に確認して適切に使用するようにしましょう。