〜薬剤師 今井 孝浩〜

粘膜攻撃因子(胃酸と消化酵素)の分泌と粘膜防護因子(粘液)の分泌のバランスが崩れるこのにより胃粘膜に障害が生じた「胃痛、胸やけ、むかつき、げっぷ、胃もたれ、消化不良、食欲不振など」、また、粘膜に障害が生じていない
場合でも消化管運動の不調によりこれらの症状が現れる。

胃腸薬はこれらの症状を改善することを目的として使用する薬。

OTC薬の胃腸薬には、制酸薬、胃酸分泌抑制剤、粘膜保護薬、健胃薬、消化薬、胃腸鎮痛鎮痙薬や、これらを成分として組み合わせた総合胃腸薬、漢方製剤などががある。

服薬上のアドバイス

  • 健胃薬は、独特の味や香りにより味覚や臭覚を刺激して反射的に唾液や胃液の分泌を促し、弱った胃の働きを高める生薬成分が配合されている、その為、オブラートで包むなどして服用すると味や香りが遮断され効果が期待できない。
  • 基本的に薬は水又はぬるま湯で服用、特に制酸薬を炭酸飲料で服用すると中和されて効果が弱くなる。

胃腸薬成分
○制酸成分

2類:アルミ含有(メタケイ散アルミン散マグネシウム・ケイ酸アルミニウム・合成ヒドロタルサイト)
アルミニュウムが蓄積するため透析中の方に使用しない。

3類:沈降炭酸カルシウム・炭酸水素ナトリウム

○抗コリン成分

胎児や新生児、乳児に頻脈が起こることがあるため・母乳の出が悪くなることがあるため妊婦授乳期の方、また排尿困難・眼圧が高い方は抗コリン薬で症状悪化する恐れがあるため使用しない。口渇や排尿困難、便秘が現れやすいので高齢者に使用しない。

2類:ロートエキス
胃液分泌、胃腸管運動亢進抑制、軽度の局所麻酔作用。

2類:メチルベナクチジウム臭化物、ブチルスコポラミン臭化物
胃液分泌、胃腸運動抑制作用

2類:ピレンゼピン塩酸塩水和物
胃酸分泌抑制、胃粘膜血行改善・胃粘液増加作用

○粘膜保護・修復成分

2類:アルジオキサ.テプレノン

2類:スクラルファート(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩)
アルミニュウムが蓄積するため透析中の方に使用しない。

3類:銅クロロフィリンナトリウム.ゲファルナート

○消化成分

3類:ジアスターゼ
でんぷん分解

3類:リパーゼ・ウルソデオキシコール
脂肪消化

○生薬成分

3類:ゲンチアナ
苦味健胃薬

3類:センブリ
健胃・整腸薬

○局所麻酔薬

2類:オキセサゼイン
局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙と制酸薬の両方の目的で使用される。

2類:アミノ安息香酸エチル
メトヘモグロビン血症「チアノーゼ」を起こす恐れがある為6歳未満の乳児には使用しない。

○消泡成分

3類:ジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)