トップページ > 藤沢の科学者 > 2009年掲載分 > 藤沢の科学者~スライムの特性と注意点 〜薬剤師 美濃口 豊〜 スライムの性質!! 洗濯のりに使うPVA(ポリビニルアルコール)は鎖の状態で水の中にあります。そのPVAの長い鎖と鎖の間に、ホウ砂が橋を架けるようにいくつも繋がって、分子の網目構造が作られ、この網目に水が入りこみます。水は外に出られない状態になり、ゼリーのような粘着力があるようなスライムになります。手に乗せたままにしておくと滝のように流れ落ち、球形を作り強くたたきつけるとスーパーボールみたいに弾み、ゆっくり引っ張ると長く伸びるのに強く引っ張ると切れます。スライムは、液体の性質である粘性と固体の性質である弾性の両方の性質を合わせ持っています。 スライムの注意!! ホウ砂とは性状白色の結晶上の粉末で匂いはなく、わずかに特異な塩味がある。グリセリンに溶けやすく、エタノール(95%)、エタノール(99.5%)またはジエチルエーテルにほとんど溶けない。乾燥空気中に放置するとき、風解し、白色の粉末で覆われる。本品1.0gを水20mllに溶かした液のPHは、9.1~9.6である。 効能・効果 結膜嚢の洗浄・消毒 用法・用量 1%(1gを水100mlに溶かす)以下の濃度で用いる 副作用 「外用により発疹、眼瞼炎などの過敏症状が現れることがある。また健康な皮膚面からの吸収は遅いが、創傷面からの吸収は速やかで、急性中毒を起こすことがある。また経口摂取により、胃腸炎、大脳浮腫、肝・腎の脂肪変性などを起こすことが報告されており、頭痛、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、紅斑性皮膚炎、脱毛などの症状が現れることがある。特に小児では5~10gのえん下で激しい嘔吐、下痢、ショックなどを起こし、死に至るとする報告がある。」 スライムの構造 スライムを作る際には、子供だけで作らないで、かならず大人といっしょに作ってください。終わったらよく手を洗い、目をこすらないで下さい。目に入ると腫れあがり目が開かなくなることがありますので、目にはいったらよく水で洗浄して受診してください。ホウ砂は名前が似ているホウ酸と間違わないでください。例えば、ホウ酸と小麦粉などを混ぜて作るホウ酸だんごは、ゴキブリの駆除に使用します。ホウ酸だんごの作り方は、藤沢の科学者に紹介していますので参考にしてください。 スライムの作り方はこちらのHPからどうぞ!! 参考 第13改正 日本薬局方解説書(廣川書店)