トップページ > 登録販売者試験対策および継続研修情報 > 登録販売者ワンポイント講座 > 登録販売者ワンポイント講座〜「解熱鎮痛剤」 〜薬剤師 今井 孝浩〜 ◎熱 ○発熱原因の分類 感染症(呼吸器感染、尿路感染など) 悪性腫瘍、自己免疫疾患(関節リウマチ、SLEなど) 腹腔諸蔵器の炎症(急性肝炎、急性膵炎など) 原因となる感染や炎症により体温調節中枢で体温上昇に関与するプロスタグランジン産生が促進され発熱する。 一般的発熱の多くは細菌やウイルス感染による。 ○発熱とは(37℃以上) 微熱・37〜37.9℃ 中等度高熱・38〜38.9℃ 高熱・39℃以上 ○解熱剤服用の目的 発熱で生じる不快感、体力消耗軽減が目的。発熱は、感染症や外傷等から身を守る反応なので、必ずしも解熱することが良いとは限らない。 発熱以外の全身症状(倦怠感、悪寒など)、局所症状(咳、痰、疼痛、下痢など)、服用薬などの確認が必要。 一般的な原因が認められず、熱が数日〜数週間続き全身倦怠感、体重減少等見られる場合は受診勧奨。冬季の高熱はインフルエンザの罹患の疑い。 ◎痛み ○感覚としての痛みの分類 侵害受容性疼痛圧力、熱、化学的刺激喉などによる組織損傷によってブラジキニン、ヒスタミンなどの化学伝達物質が遊離、これが受容体にくっつくことで痛みが起こります。さらに化学伝達物質のブラジキニンは発熱に関与するPGの産生、遊離を促進、このPGは知覚神経終末で痛みの閾値を下げる作用があり、ブラジキニンの発痛を増強し痛覚過敏を引き起こしてしまいます。 神経因性疼痛知覚神経抹消の傷害で起こる神経細胞の異常興奮で引き起こされる。帯状疱疹後神経痛、糖尿病性末梢神経傷害、三叉神経痛、外傷後疼痛症候群。 内臓痛胃や腸などの臓器の収縮、進展、拡張などの運動や虚血、炎症などにより引き起こされる。 心因性疼痛ストレスやうつ状態など精神心理的要因が関与し、器質的病変はないが痛みを引き起こす。 機能性頭痛 片頭痛 群発頭痛 緊張型頭痛 症候性頭痛 頭部の外傷による頭痛 脳血管・髄膜の傷害による頭痛 脳疾患による頭痛 感染症による頭痛 原因物質が関係する頭痛 目、耳、鼻などの疾患による頭痛 頭痛には、基礎疾患のない機能性頭痛と原因疾患のある症候性頭痛がある。 慢性頭痛の多くは明らかな原因がない機能性頭痛。 ◎主な解熱鎮痛成分 成分 作用特徴 解熱鎮痛成分 アニリン系 アセトアミノフェン(2) 中枢性、小児・妊婦に比較的安全 サリチル酸系 アスピリン(指2) エテンザミド(指2) 解熱、鎮痛、抗炎症、血小板凝集抑制 中枢性 ピラゾロン系 イソプロピルアンチピリン(2) ピリン系成分、中枢性、妊婦使用避ける プロピオン酸系 イブプロフェン(2) 15歳未満、妊婦使用さける ロキソプロフェン(1)