〜薬剤師 今井 孝浩〜

◎ミネラル(カルシウム)

カルシウムは 電解質の1つで、血液などの液体に溶け込むと電荷を帯びるミラルですが、体内のほとんどのカルシウムは電荷を帯びていません。
体のカルシウムの99%は骨に蓄えられていますが、細胞(特に筋肉細胞)や血液中にも存在しています。

カルシウムの機能は、骨や歯の形成、筋収縮、血液凝固、心拍リズムの維持、多くの酵素の補酵素として不可欠なものになります。
体内では細胞内や血液中のカルシウムの量が厳密に制御されています。血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、カルシウムは必要に応じて骨から血液中に移動します。十分なカルシウムを摂取していないと、骨のカルシウムが大量に移動して骨が弱くなり、骨粗鬆症 になります。骨を弱体化させずに正常な血中カルシウム濃度を維持するためには、1日に少なくとも1000~1500mgのカルシウムを摂取する必要と言われています。

血液中のカルシウム濃度は、主に副甲状腺ホルモンとカルシトニンの2つのホルモンによって調整されています。

○ 副甲状腺ホルモン

  • 骨を刺激して血液中にカルシウムを放出させる
  • 消化管を刺激してカルシウムの吸収量を増やす
  • 腎臓から尿中に排出されるカルシウムの量を減らす
  • 腎臓でビタミンDの活性化を促すことで、消化管でのカルシウム吸収量を増やす

○ カルシトニン

  • 骨の分解を遅らせる

カルシウム濃度の低下は、副甲状腺の問題や、食事、腎疾患、特定の薬剤などが原因で発生し、低カルシウム血症が進行すると、強い痛みを伴う筋肉のけいれんがよくみられ、そのほかに錯乱、抑うつ、忘れっぽくなる、唇や指や足のピリピリ感、筋肉のこわばりと疼きなどの症状が現れることもあります。
通常は一般的な血液検査で発見され、低カルシウム血症の治療には、カルシウムとビタミンDのサプリメントが使用されます。

カルシウムは、乳製品や大豆製品に多く含まれるミネラルで、例えば豆腐、納豆、ヨーグルト、牛乳などに多く含まれます。