トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~冷えの膀胱炎 【質 問】去年の暮れに突然、膀胱(ぼこう)部の重だるさと排尿痛、それに血尿があり、病院に行くと膀胱炎と言われました。抗生物質をもらって3日後、胃が気持ち悪くなり服用を中止、「猪苓湯・ちょれいとう」という漢方薬を頂きました。さらに3日後、服薬するものの排尿痛と血尿が再び現れました。翌日も症状が続いて怖くなりました。私は29歳の女性。普段から足は冷え、立ちっぱなしの仕事で最近は朝からむくむようになりました。 【答 え】 膀胱炎自体、繰り返すと自律神経に影響を与えることもある。また放っておくと菌が上行し、腎臟にさえ影響を及ぼす。 この女性は接客業で、繁忙時はトイレにも行けな。2回目の出血は 明らかにトイレをがまんした結果起きたそうである。「猪苓湯」は膀胱の炎症を冷やし、利水を促す薬である。今年は記録的な寒さのため、膀胱炎の相談も非常に多い。冷えと水分代謝の異常が原因となっていることが多く、初期に「猪苓湯」を服用するのは一考だが、体を温める薬を考慮しないとこのような事態に陥る。 彼女には、余分な水分を出し身体を温める「当帰芍薬散加附子・とうきしゃくやくさんかぶし」を差し上げたら、一週間快適だったという。まだまだ寒さは続くので、1日2回の服用にして続けるように指示をした。 |『漢方の相談室』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。