【質 問】来年、娘が大学受験です。やる気だけはあるのですが体力が付いていきません。風邪を引きやすく集中力がありません。何か良い漢方薬はないでしょうか。
【答 え】

受験勉強もいよいよ追い込みの時期になりました。子供が100パーセントの実力を発揮できないことは、親にとってはつらいものがあります。体力も能力のひとつです。まず体力をつけ、抵抗力を向上させ、風邪を引かない身体づくりに「大蒜・たいさん」の製剤が良いでしょう。一日の疲れをとり、元気になります。

次に集中力を高め、記憶力を向上させるには「刺五加・しごか」を服用します。これは現在、「五加皮・ごかひ」「えぞうこぎ」「シベリア人参」とも呼ばれ、旧ソ連が宇宙飛行士の重力に対するストレスを回避するために使った生薬です。日頃の勉強が良く身に付いていくでしょう。

神経質で緊張型の人には、気の循(めぐ)りを改善し、余分な水分を取り去る「半夏厚朴湯・はんげこうぼくとう」が良いでしょう。気分をほぐし、あわてることなく着実に、勉強もはかどることでしょう。

本番でドキドキするあがり症の人は、心を落ち着かせて能力の100パーセントを発揮できる「牛黄清心丸・ごおうせいしんがん」を普段から服用します。高ぶりを押さえ、頭がすっきりします。

『漢方の相談室』一覧へもどる次へ

※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。