トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~長引く風邪 【質 問】3週間前インフルエンザにかかり、3日で高熱は引いたものの、その後微熱が引きません。日ごろは元気な男の子で、今年で10歳になります。現在、朝は元気がありますが、昼ごろからごろごろし始め、熱を計ると37度前後あります。朝から食欲がなく、少量の昼食も半分くらい残してしまいます。夕食もだらだらと少し食べただけで、またごろごろしてしまいます。夜寝るときに首に汗をかいています。何かよい漢方薬はありますか。 【答 え】 インフルエンザも漢方では外邪侵入のひとつであり、それは風寒の邪に属する。風寒の邪が体表面から入り、徐々に各臓腑に侵入し始め、このような微熱となることも少なくない。三寒四温のこのごろ、老人や子供にとっては酷な季節でもある。 このお子さんは鼻水もせきもなく、ただ食欲がなくなっているので脾(ひ)が傷(やぶ)られている。脾が傷られると疲れやすく、食欲がなくなり、汗をかきやすくなる。脾の気を補い、機能を改善する「参令白朮散・じんりょうびゃくじゅつさん」を服用してもらった。3日もすると元気が出て食欲が改善し、微熱も治まってきたとのこと。 風邪が万病の元といわれる由縁は、脾だけではなく心、腎、肺ひいては肝にまで影響するからである。病が長引いているときには、すぐに漢方薬の併用をお勧めしたい。 |『漢方の相談室』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。