【質 問】余命3カ月といわれた私が、元気に家族と一緒に正月を迎えられました。漢方薬のお陰で、抗癌(がん)剤の副作用も髪の毛が多少薄くなったことと、ヘモグロビンが低下するだけで無事に過ごしております。今年も癌に立ち向かっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【答 え】

今年で79歳になるこの女性は、正月早々1月4日より5回目の抗癌剤治療が始まった。一時は60キロあった体重が51キロになり、9キロの腹水が抜けたことになる。貧血がひどければ輸血しながら抗癌剤治療をするところであったが、今回も免れた。1月11日より6回目の抗癌剤、17日より7回目の抗癌剤。1月末日MRIの検査をし、2月3日にめでたく退院された。2月の中旬に検査の結果を聞きにいくと、当時CA—19—9は1000近くあったものが100に落ち、散りばめたような腫瘍は全くなくなり、膀胱(ぼうこう)の後ろにあった陰も消えた。当初12回の抗癌剤の点滴も打ち切りになった。尿も出て、食欲も正常だとのこと。今年11月まで脾と腎を温め、腹水を取り除き、下腹部の全体の代謝を促す「実脾飲・じっぴいん(煎じ薬)」と霊芝の菌糸体、活性酸素を除去する白金・パラジュウム製剤をこのまま服用。その後「実脾飲」と白金・パラジュウム製剤を減薬していこう、と話し合った。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。