【質 問】平成3年の出産後にパニック障害をおこし、怖くて電車にも乗れませんでした。先生の薬を服用し、おかげさまで動悸(き)、胸の圧迫感は良くなり、電車にも乗れるようになりました。その後、胃腸の症状だけが残り17年が過ぎました。我慢していると症状は消失するので、今まで過ごしていました。子供が大学生になり、一息つきましたので、治しておこうと再び相談に参りました。
【答 え】

症状は、いつとはなく胃から下腹部にかけて張って苦しくなり、ちくちくと痛くなる。痛むところは一定せず、あちこちに飛ぶ。ガスがたまりやすく、出すと楽になる。冷たいものをとると症状が出てくる。

ほかに子宮筋腫があり良く下痢をする。冷え症で貧血、めまいもよく起こす。本人にストレスの有無を聞くと今はないという。話していてもゆったりとした感じである。去年の春、子犬を飼いなぜか緊張しているという。最初に胃の冷えを考えて「安中散・あんちゅうさん」を服用、症状は軽くなるが消えない。

症状はストレスによるものであるが、表面的にイライラしたようすは認められない。隠れストレスを想定し、肝の気の停滞を改善し、血を補う「加味逍遙散・かみしょうようさん」を服用していただいた。長年付き合ってきた症状が消え、体が快調だと報告を受けた。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。