40代から尿酸値8と、高い数値だった68歳の男性は、医師の努力で5.2まで下がりましたが、年に一度は痛風発作で痛みに苦しんでいました。2年前から発作は頻繁になり、2カ月のペースで発作が襲ってきます。右足の内くるぶしを中心にアキレス腱の内側、親指の付け根まで赤く腫れて熱を持ち、歩くとズキッと痛みます。突然、気が遠のくような痛みが襲ってきて、歯の痛みを1とすると、30倍位の痛みだそうです。

そこで、患部の熱を取る清熱剤の「黄柏(おうばく)」と、患部の水を引かせる「蒼朮(そうじゅつ)」を合わせて1週間分処方すると、次の来店時にはすっかり改善していました。また、発作を起こさぬよう於血と熱を取り去り、自然界の「湿邪」や「風邪」の影響を受けにくくする「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」に蒼朮と黄柏を加えて服用してもらいました。それから1年、腫れも発作もなく、山歩きを楽しんでいます。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。