寒かった冬が過ぎ、春分を迎えると、PM2・5と一緒にスギ花粉が飛んできます。野球部所属の高校2年生の男子生徒は、ガッシリとした筋肉体質で体力があり、食欲も旺盛です。

小学4年生から喘息持ちで例年、秋から冬場に悪化し、走ると痰で苦しくなり、咳が出るといいます。高校生になると、慢性鼻炎になり、鼻詰りで苦しく、いつもは透明でさらさらとした鼻水ですが、悪い時には黄色い鼻汁になるそうです。冬場は朝の冷たい空気を吸いながら自転車で30分通学すると、鼻水は流れるように出てきます。

そこで肺だけが冷えていると考え、肺を温める「甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)」を服用してもらうと、徐々に鼻水、鼻詰り、咳、痰も楽になり、1カ月後には大体良くなったとの報告がありました。それから毎年、冬場になると服用しているとのことです。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。