2009.

〜薬剤師 青木 敏朗〜

 一般的にまたはCMなどで、よく「かぜをひいた」と言う言葉が使われます。専門的には「かぜ」とはウイルスや細菌などによる上気道感染症で、主症状は鼻汁、鼻閉・くしゃみ・咽頭痛・咳、痰・頭痛、発熱などを伴う「かぜ症候群」のことを言います。また「かぜ症候群」は普通感冒と流行性感冒(インフルエンザ)に分類されます。
1)かぜ症候群について
 「かぜ症候群」の治療についてですが、普通、感冒はシーズンにより型は異なりますがそのほとんどウイルスによるものです。一般的には感染初期の場合は、抗生物質は使われないことが多いです。
 しかし「かぜ症候群」の中にも、細菌感染症の場合があります。その中で溶連菌感染症(α溶血連鎖球菌感染症)は風邪症状のあと、急性腎炎や関節リウマチ、血管性紫斑病といった合併症に至ることもあります。また膿性の鼻汁や痰がある場合などを含めて、医師の判断で抗生物質が処方されることもあります。抗生物質はウイルスに対しては効果がありませんが、細菌に対しては有効です。
【かぜ症候群の対処法】
 まずは安静と睡眠、そして十分な栄養をとることです、食欲のない場合は、個人的ですが「ホットはちみつレモン(レモン1個を絞って、はちみつもたっぷり入れてお湯で割ります)」をお勧めします。水分の補給は重要です。対症状についての薬ですが、通常は主症状に応じて対症療法剤で対処する程度ですのでセルフメディケーション(市販薬で症状を自分自身で緩和すること)も可能です。
【発熱への対処法】
 かぜにはまず総合感冒薬が一般的には思い当たりますが、ウイルスは熱に弱く、発熱は感染を広がらないようにする体内の自然な防御反応ですので、体力のある場合は解熱剤が含まれている総合感冒薬などで発熱を抑えないようにしたほうが良いです。
 ただこれも安易に解熱剤を含んだ総合感冒薬を安易に服用しないほうがいいということです、高熱(38℃以上)が続く場合は解熱剤単剤の屯用は必要になります。高熱が続くと脱水症状を起こしやすくなるので、水分摂取をしっかりとすることが大事です。
【その他の対処法】
 鼻炎に対しては抗ヒスタミン薬、咳に対しては中枢に作用して咳を抑える成分のはいったもの、痰も死滅したウイルス・細菌などを排泄する正常な防御機能ですので排泄を促進する成分が入ったものを、それぞれの症状にあわせて選択するよう薬局で相談してください。

 感染初期に関していえば、葛根湯をお湯で溶かして少し生姜汁(小指半分程度を擦った汁)を足して服用されることをお勧めいたします。いずれにしろ体質や発症時期でお勧めするお薬は変わってきますので、薬局薬剤師にご相談されてください。

 また長引きますと咳喘息に移行して2~3ヶ月、咳が続いたり、肺炎を併発することもあります。特にここ近年は粉塵等の影響からか感染症が治まっても咳喘息の症状が長引く(2~3ヶ月)ことが多くなってきていますので、咳が長く続く場合は受診されることをお勧めいたします。

インフルエンザとかぜ症候群について 2)