トップページ > 病気のトピックス > インフルエンザ編 > 病気のトピックス~インフルエンザとかぜ症候群について 2) 〜薬剤師 青木 敏朗〜 2)インフルエンザについて つぎにこれからシーズンに入る流行性感冒(インフルエンザ)についてですが、症状では普通感冒にくらべて、発熱が急激(38度以上)で筋肉痛や関節痛などの全身性の症状が強いのが特徴です。 とくに乳児・小児また高齢者や妊婦の患者さんは注意が必要です。 【インフルエンザの診断】 インフルエンザの流行時期(12月~3月)に前述の症状のあった場合は、インフルエンザの可能性が高いと考えられます。 医療機関のインフルエンザの検査では、鼻粘膜や咽頭粘膜を綿棒で擦過し、綿棒についたウイルスの有無を調べる迅速検査(約10~15分)があります。 ただ、感染初期でウイルスが検出できない場合や陽性率が100%ではないので、インフルエンザであるにもかかわらず、検査結果が陰性になる可能性もあります。 検査結果が陰性でも、医師がインフルエンザウイルス感染の可能性が高いと判断した場合はインフルエンザウイルスの診断をする場合があります。 【インフルエンザワクチンについて】 インフルエンザの予防にはインフルエンザワクチン接種があります。 インフルエンザワクチンとはそのシーズンに流行すると推測されるワクチンを接種することでインフルエンザ発症予防に効果(健康成人で70~90%)があります、また発症したとしても重症化を防ぎますので体力のない前述の乳児・小児また高齢者の方はぜひ接種することをお勧めいたします。 インフルエンザの流行(12~3月)にそなえてもう10月より接種が始まっていますので希望される方は近隣の医院・病院で接種可能です。 妊婦の方に関しては、妊娠初期はいろいろな理由で流産する可能性の高い時期ですから予防接種については良く主治医と接種時期等をご相談されるようにしてください。 【あ、その咳、そのくしゃみ~咳エチケットしてますか?】 現在、インフルエンザの治療薬としては内服薬ではA型のみに効果があるとされている「シンメトレル」A型・B型の両方に効果のある「タミフル」や吸入薬の「リレンザ」がありますが、いずれも医師の処方が必要です。 いずれも発症後48時間以内の服用で効果がありますので、具合が悪ければ早めに受診してください。 市販薬でもインフルエンザが疑われる場合、漢方薬の麻黄湯をお勧めしておりますが、これも体質や発症時期でお勧めするお薬は変わってきますので、薬局薬剤師にご相談されてください。 【インフルエンザの診断と治療薬】 これは厚生労働省の今年度のインフルエンザに対する標語です。 この意味について考えたいと思います。 まず、病原体の感染には、空気感染、飛沫感染、接触感染、経口感染などがあります。 インフルエンザは、感染経路は飛沫感染になります。 これは感染している患者さんの飛沫(咳、くしゃみ、つばなど)と共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します。 ・インフルエンザウイルスを含んだ飛沫が12時間くらい空気中に存在する ・低温・乾燥といった環境が生存に適しており冬場は長期に生存する ・感染してからの増殖が速い ということを考えると空気感染と考えて良いと思います。 ですからインフルエンザの流行時期には、なるべく人ごみなどの外出を控えてマスク・手洗い・うがいなどで予防してください。 また厚生労働省では「咳エチケット」という言葉を使っています。 ○咳・くしゃみが出たら、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクをもっていない場合は、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。○鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう。○咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。 ということで、「インフルエンザ感染している方が、感染を広げないようにする」ことが感染を広げない一番の対策になります。 厚生労働省HPより |戻る|インフルエンザとかぜ症候群について 3)|