【質 問】漢方薬は、どのような病気の人が服用しているのですか?
【答 え】

漢方は、西洋医学ではいい方法がない、また手こずる難病を治す方法をもつだけでなく、日常的に出合う普通病を治すことにも優れた特質を持っている。そして、漢方がとびきりよく効く疾患というものがある。一方、両者のどちらも単独では難しく、双方を併用すると効果が上がる疾患というものもある。

だるく疲れやすい、気力がでない、実際に病院で検査をしたが、異常は認められなかった。異常はあったが特に病気とは認められない。これを半健康症候群と呼ぶ。また、胃腸をこわしやすい、無理ができない、季節の変わり目などに体調がすぐれない、よく風邪をひく、夏ばてをしやすいなどは、いわゆる虚弱体質である。五臓に活力を与え、体質を強化する漢方薬を日常から服用することにより、これからくるであろう病気を予防することができる。

婦人科疾患では不妊症、流産、更年期障害、のぼせ症、冷え症、生理不順、生理痛、子宮内膜症、嚢腫(のうしゅ)、つわりなどが挙げられる。一般に血の道症としてよく知られているが、子宮の環境は微妙なホルモンバランスで調節されている。単なる過不足を補うのではなく、気・血・水の流れを改善し、自分のホルモンを調節する能力を養うことが大切である。(つづく)

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。