【質 問】アガリクス茸よりも癌(がん)に効くものはないのでしょうか
【答 え】

アガリクス茸は現在いろいろなメーカーが発売している。その品質も様々で有効成分のβ—グルカンの量もまちまちである。病気でお悩みの方はある程度の金額は覚悟されたほうがよい。

最近ではβ—グルカンの抗腫瘍成分は、さらに詳しく解析され、その成分によって効果に違いがある。免疫力を高めて癌を予防する成分は、β(1—3)グルカンである。残念ながらアガリクス茸にはこの成分は少なく、ハナビラタケに多量に含まれている。

漢方の立場で考えると、キノコ類の中で上品に君臨するのは何といってもマンネンタケ(霊芝)である。中国や日本で昔から健康維持のために用いられている。霊芝には紫芝、赤芝、白芝、青芝、黄芝、黒芝があり、最も貴重なのは赤芝とされている。現在は培養した霊芝菌糸体のエキスでつくられた製品があり、免疫を高めて癌を防ぐ成分であるヘテログルカンが多量で、そして安定しているものが発売されている。

β(1—3)グルカンとヘテログルカンでは、免疫を活性化する作用機序が異なり、これを併用するとアガリクス茸より効果的に大きな違いが出る。つまりアガリクス茸より効果を期待したい方には、霊芝とハナビラタケの併用をお勧めしたい。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。