トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~高血圧症(2) 【質 問】私は52歳になる女性ですが、最近首筋が凝り、体調が悪く、疲れやすい。血圧を測ってみると、高いと言われました。血圧を下げるためにどのような漢方薬があるでしょうか。 【答 え】 前回は「肝」由来の処方を述べましたが、今回は「腎」由来の場合について述べます。顔、特にほほが赤く、ひどい方はシミができる。小便は黄色みが濃くひどい場合は混濁している。寝不足やハードな生活が続き、疲れていることが多く、腰から下が重だるい。手足がほてり、終始水分が必要で、寝相が悪く、いびきをかく。これらの症状が顕著に見られる場合は、腎の冷やす力を改善し陰分を補う「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」を服用し、軽度のときは「六味丸」にします。 反対に顔の赤みはなく、小便は透明で、手足が冷えやすく温まりにくい。夜間排尿があり、腰から下は重だるく、昼から夕方にかけて足がむくむ方は、腎の温める力を改善し陽気を補う「金匱腎気丸(きんきじんきがん)」が良いでしょう。身体全体が冷えむくみは朝からあり、夕方になると軽減し、小便は出にくく、量が少なく近い。めまいがあり、いつも眠い方は、腎を温め水分代謝の異常を改善する「真武湯」を服用します。 漢方薬は一人ひとりの体質症状によって違いますので、専門家に相談しましょう。次回は「心」由来ほかです。 |『漢方の相談室』一覧へ|『高血圧症』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。