【質 問】私は、52歳の女性です。最近首筋が凝り、体調が悪く、疲れやくなりました。血圧を測りにいってみると高いといわれました。血圧を下げるためにどのような漢方薬があるでしょうか。
【答 え】

普段からストレスがあり、明け方から起床時にふらつき、頭重、肩凝りがあり、物忘れが多くなった方には「釣藤散(ちょうとうさん)」が良いでしょう。イライラが激しく食欲にむらがあり、太鼓腹で便秘気味の方は「大柴胡湯(だいさいことう)」を服用します。同じく怒りやすく食欲にむらがあり、便臭や口臭が強い方は「龍胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」が良いでしょう。「加味逍遥散(かみしょうようさん)」も同じくイライラが激しく、ため息やげっぷ、おならが多く顔が赤くなりやすい方が服用します。これから「牡丹皮(ぼたんぴ)」と「山梔子(さんしし)」を減らすと「逍遥散」という処方になり、顔の赤みが少ない方が服用します。

以上の処方は、肝臓のめぐりが障害を起こして気・血・水の流通が滞り、あるいは上昇するために血圧も上がってくる病証を正常に戻していくものです。

肝のほかに「腎」由来、あるいは「心」由来で血圧が高くなる方もあります。それはまた次回ご紹介します。漢方薬は1人ひとりの体質症状によって違いますので、専門家に相談しましょう。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。