トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~高血圧症(4) 【質 問】私は52歳になる女性ですが、最近首筋が凝り、体調が悪く、疲れやすい、血圧を測ってみると高いと言われました。血圧を下げるためにどのような漢方薬があるでしょうか。 【答 え】 普段から睡眠が浅く、胸の辺りがもやもやとし、寝返りをよくうつ。口が乾きよく水分を欲しがり、時々鼻血を出す。めまいや動悸を伴い、時たま激しい頭痛に襲われる。舌を見ると黄色い苔が厚くついている。のぼせが強くて顔色が赤く、いらいらしがち精神的に不安定な場合が多い。こんな方は、胸中の熱を冷ます「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を服用します。 いよいよ更年期を迎え、卵巣の反応が鈍くなるとホルモンの分泌が減少し、カーッと熱くなり汗が出たかと思うとそれが冷えて寒くなる。全身がだるく、ひどい方は起きられなくなる。脈が速く動悸があり、寝つきが悪く寝たかと思うと夢で起きてしまう。物忘れも多くなった方は心と腎を養い、陰分を補う「天王補心丹(てんのうほしんたん)」がよいでしょう。 同じような症状があり、さらに血液の巡りが悪く、貧血傾向にある方は「柏子養心丸(はくしようしんがん)」を服用します。このたぐいは、憂うつ感、焦燥感、不安感などの精神科疾患の際に出現する症状と非常にまぎらわしいものが多い。 |『漢方の相談室』一覧へ|『高血圧症』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。