トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~高血圧症(5) 【質 問】私は52歳の女性ですが、最近首筋が凝り、体調が悪く疲れやすい。血圧を測ってもらったら高いといわれました。血圧を下げる漢方薬はあるでしょうか。 【答 え】 高血圧が長期間続くと高い圧の動脈に負担がかかり、左心室肥大を起こす。冠状動脈にも動脈硬化が進み、左心室肥大、狭心症・心筋梗塞などが起こり、これを高血圧性心疾患と呼んでいる。 少し歩いただけで息が切れる。ゼイゼイと浅い息をし、胸から背中にかけて痛む方は身体の気と陽気をめぐらし、心臓の緊張を解く「括樓薤白白湯(がろがいはくはくしゅとう)」がよいでしょう。括樓実2㌘、薤白6㌘を白酒400㍉リットルに入れ、150㍉リットルにせんじ、3回に分けて服用する。 この症状を繰り返していると、心臓がつかまれるような痛みになってくる。次第にあお向けで寝るのが苦しく、何度も寝返りをうつようになる。いわゆる狭心症・心筋梗塞の類である。先の処方に半夏を加えた「括樓薤白半夏湯(かろがいはくはんげとう)」という処方がある。この2つは酒を利用した処方である。お酒のみにはもってこいであるが、残念ながら20分ぐらいとろ火で煮てしまうのでアルコール分は飛んでしまう。ここでいう白酒とは焼酎に近く、薤白とはおなじみのラッキョウである。括樓とはキカラスウリの種子のことである。 |『漢方の相談室』一覧へ|『高血圧症』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。