【質 問】39歳の女性です。数カ月前から残業が多くストレスがたまり、普段は5時間くらいの睡眠が3、4時間ほどになってしまいました。イライラが募り、カラオケでストレスを発散させていたつもりですが、次第に顔がかさつき、ニキビが出始めました。良い漢方薬はないでしょうか。
【答 え】

鼻から下が全体にかさつき、淡紅色から赤色の大きなニキビがいくつも出ていた。体は疲れているが寝付くのに1時間ほどかかる。便通も悪くウサギのフンのようにコロコロした便が出る。

不眠と皮膚がかさつく症状は、血の不足を意味している。手足と顔に火照りがあり、ニキビの化膿はわずかで淡紅色が多いのは「陰虚」の現れである。寝不足と残業で気の不足を起こしたため、腸の働きに異常を来し、便が兎糞(とふん)状になっている。

彼女には「双和湯(そうわとう)」を1カ月間服用してもらった。服用から1週間後、顔がつるつるになりニキビも治まりましたと喜びの電話があった。

「双和湯」には、気と陰分を補う「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」と、血を補う「四物湯(しもつとう)」が入っている。このように著効を示す場合もあるが、ほとんどのニキビはホルモンの乱れが関与しており2、3カ月で効果が分かり、半年くらいで良くなるケースが多い。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。