【質 問】4月の終わり頃に突然、吐気をともなう回転性のめまいにおそわれました。病院に行き、めまいの薬を服用していますが、2週間後の現在も枕に頭をつけるとまわるような気がします。歩くと左右にゆっくりと動揺感があり、まっす ぐに歩けません。食欲もなく、義務感で少量を無理矢理食べています。血圧は正常で脳出血の危険はないと言われました。何か良い漢方薬はないでしょうか。
【答 え】

55歳になるこの女性は、めまいの起きる前に風邪を引いたという。風邪は一週間で良くなり、その後1週間後にめまいを発症したという。

一般的には、内耳にある平衡感覚を司る三半規管の浮腫か、またはそれを小脳に伝える神経の障害、たとえばウィルスによるものといわれている。めまいが徐々に始まるり、だんだん進むものには腫瘍等の可能性もありますので、検査を受けましょう。

さてこの女性は、風邪がらみと判断しウィルスに対する抵抗力を増すために「真武湯しんぶとう」、さらに水分代 謝を改善しむくみを消失する「茯苓ぶくりゅう」と「白朮びゃくじゅつ」を増量し服用しました。5日後にはめまいが消えましたが、食欲が今ひとつであるとのことで脾胃する健やかにする「補中益気湯ほちゅうえっきとう」を5日分服用し、元気になりました。この外にもめまいには種類があり、慢性的なものの改善には長時間かかかります。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。