トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~残暑のだるさ 【質 問】この夏の暑さで7月に入るなり、食欲不振とだるさに襲われました。冷房を高めに設定しているためか寝汗をかき、便が軟らかく、気分までふさぎこんでしまいます。病院の検査には異常がなく、夏バテでしょうと胃腸薬をもらいました。効き目がないので漢方薬を処方してください。私が横になっていると、姑の機嫌も悪く怠け者扱いされます。 【答 え】 今年は記録的な猛暑となり、今になって夏バテの相談が多い。昼間のうだるような暑さに加え寝苦しい夜が続き、食事はそうめんなどが多くなり、たんぱく質の不足を起こして体力低下を招く。体がほてり、汗をたくさんかいて、つい冷たい飲み物をがぶがぶと流し込んでしまう。すると胃液が薄まり、消化吸収能力が低下する。また胃腸を冷やし、働きを悪くさせて食少になる。しかし、脱水症状を防ぐために水分を補給することは重要である。 この女性の場合は、手足の冷えがひどく、最初は冷房病から発症しているのでだるさが激しいのであろう。後に脾胃の運化が低下し、便が軟らかくなり食欲が落ちてしまった。腎の活力を回復し温める「至宝三鞭丸・しほうさんべんがん」と脾胃の働きを改善する「参苓白朮散・じんりょうびゃくじゅつさん」を服用していただいた。2週間後、1ヶ月半に及ぶ地獄の猛暑が解消できたとのこと。 |『漢方の相談室』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。