トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~夏の下痢 【質 問】3日前、パチンコを13時間、その夜からビールなどを朝の3時まで浴びるほど飲みました。昨日の午前中まで普通でしたが、午後になり胃の痛みとともに下痢になり、10回くらいトイレに通いました。ひどい下痢と胃痛はいまも続いています。 【答 え】 便は、健康のバロメーターである。この二十九歳の男性は、無茶な生活と冷房、冷たい物の飲み過ぎによる冷えが原因で下痢と胃痛が発症した。胃と腸の冷えを追い出す「安理湯・あんりとう」を温湯で服用し、その場で胃腸が温まり改善した。 これに吐きけや発熱が加わると「桂枝人参湯・けいしにんじんとう」などを服用する。さらに抜けるようなだるさがある場合は「香正気散・かっこうしょうきさん」を使用する。ふだんから胃に熱がある人が同じ症状になったときは、舌苔が黄色く厚くなる。これには「黄芩湯・おうごんとう」が良いでしょう。 急性症状は比較的すぐに改善し、慢性は時間がかかる。当方には病院をいくつもまわってから来る人が多いが、最近特に増えているのが精神的ストレスが要因の過敏性腸症候群で「痛瀉要方・つうしゃようほう」などを多用する。 便に血が混じるときは注意を要する。潰瘍性大腸炎、大腸がん、すい臓の病気などがあり、病院の治療と共に漢方を併用する。この場合も、かなりの時間を用する。 |『漢方の相談室』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。