【質 問】私は、74歳になる女性ですが、15年前にリウマチ熱で膝に炎症を起こし4ヶ月間入院しました。痛みは緩和されたものの、左足を引きずりるようになりました。去年の7月に左膝が突然腫れだして再び歩けなくなり、整形外科に行くと水を200ミリ抜いてくれました。その場は楽になりましたが徐々に腫れがもどり、9月には同じ量の水を抜き、10月には80ミリを2回抜きました。その頃から右膝も腫れて痛み出しました。良いお薬を処方してください。
【答 え】

一般に「防已黄耆湯・ぼういおうぎとう」は汗かきで、その汗が冷えて悪風し、小便の出が悪く、体が重だるく感じる人に服用してもらう漢方薬である。気を補い、水分代謝を改善するものである。

この女性の場合は、2週間服用後は水を抜くこともなくなり、膝の腫れは消えた。その後1ヶ月経過すると以前より元気が出て、両膝の痛みも消失した。3ヶ月後には、近所の人に「右脚を引きずることがなくなった」と言われるまで快復した。

ところが、最初の問診で小便について聞いているが、普通であると答えている。本人に小便不利という感覚はほとんどない。他の人も漢方的病症の自覚がないことは日常茶飯事である。わずかな体質の違いによって漢方薬は違うので専門家に相談しましょう。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。