トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~花粉症の後遺症 【質 問】52歳の女性です。今年は花粉の量が例年の20倍から30倍ということで、1月末から病院にかかり、アレルギーの薬を服用しました。しかし、2月末からひどくなり、先生は何度も薬を変更しましたが治まりません。今では花粉の飛散に関係なく症状がひどく、鼻下の皮がむけて、朝に黄色の鼻水が出るようになりました。 【答 え】 一般に、スギ花粉という抗原を吸うと、それを異物と認識して抗体をつくる。この抗体を免疫グロブリンEと呼び、アレルギー体質はこれができやすい人のことである。我々がいう外傷とは、スギ花粉という抗原を吸い込んで免疫グロブリンEをつくろうとしている状態をさす。抗体と結合して過剰な抗原抗体反応を起こしている人を、我々は内傷と呼んでいる。 この女性は完全に内傷に移行している。内傷の改善に、脾を補ない、水分代謝を調節して鼻の粘膜などの炎症を緩和する「半夏白朮天麻湯・はんげびゃくじゅつてんまとう」を服用。外傷の改善には「桂麻各半湯・けいまかくはんとう」と、2種類を1週間服用してもらった。すると黄色い鼻水が少なくなり、鼻水と鼻づまりも減少し始めた。ぜん息の持病もあるため、花粉症がおさまった後、アレルギーの体質改善として「参苓白朮散・じんりょうびゃくじゅつさん」を通年服用してもらうことになっている。 |『漢方の相談室』一覧へ|『花粉症』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。