【質 問】夏の終わりころから手足の関節に痛みを感じて、様子を見ていました。しかし、1カ月しても痛みが引くどころか、朝に手全体がこわばり、ぞうきんを絞るときや包丁を使うときに関節が痛くて仕方ありません。病院へ行ってみると、リウマチではありませんが、様子を見ていきますといわれ痛み止めを出していただきました。鎮痛剤を飲むと痛みは少し楽にはなりますが、炎症反応は変わりません。私は53歳になる女性です。何かよい漢方薬を調合してください。
【答 え】

リウマチでもリウマチ様症状でも、お医者さんの薬と漢方薬を併用することで、患者さんの苦痛は楽になり、生活の質の向上つまりQOLは数段上がる。この人の場合は、まだリウマチではないので短期間に症状は改善することができるが、リウマチの場合は時間がかかる。

この夏は異常な暑さを記録し、体力を消耗した人が少なくない。体力の消耗とは気の不足で、気が不足すると血が滞り、滞った場所で痛みが起きる。気と血が滞ると水の巡りも悪くなり、朝方のこわばりとなって現れる。身体全体の気と血を補う「十全大補湯・じゅうぜんだいほとう」と腎を温め水分代謝を促す「真武湯・しんぶとう」を併せて服用してもらった。痛みは2週間で半減し、3週間目で鎮痛剤の服用をやめても平気になったと報告があった。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。