トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 得意な病気 > 漢方の相談室~得意な病気(5) 【質 問】漢方薬は、どのような病気の人が服用しているのですか? 【答 え】 5回にわたって得意な病名を挙げてきた。漢方医学は何の病気であれ、患者の身体全体を把握し、病気と闘う医学であるため、重篤な副作用も避けることができる。例えば、癌(がん)にしてもそうである。残念ながら手遅れになる方もいるが、治ってしまう人と、上手にお付き合いをしている人がいる。患者と何度も接する中で患者自身が素直になって、漢方学的に必要な情報を学習していく場合は、病気はよい方向に進み、短気の方や人任せの患者はなかなか病気も治りにくい。 メニエール病症候群なども耳鳴り、耳がつまる感じ、めまい、悪心・嘔吐、冷や汗や血圧の変動など諸々の症状が出現するが、漢方医学にとって必要な情報はこれらの症状ではなく、その症状が出た時、小便の量はどうであったか、疲れておきたのか、いらいらしておきたのかが重要である。 痔疾には内痔核、外痔核、肛門周囲炎・膿瘍(のうよう)、痔瘻、裂肛といろいろな種類があるが、これらはアルコールを飲んだときに悪化するのか、疲れた時や寝不足の時に悪化するのかが重要である。 副鼻腔(くう)炎・鼻たけなども同様で鼻づまりは1日の内いつがひどく、それは疲れると悪化するのか、良好条件は何かが大切である。(この項終わり) |『漢方の相談室』一覧へ|『得意な病気』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。