トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~癌との闘い(1) 【質 問】癌(がん)は治るのでしょうか。 【答 え】 癌は治らない病気ではないというのが正確な答えになるのだろうか。 現代医学はもとより、現代中医学においても、癌に対する薬剤は発展を遂げている。しかし、通信販売もどきで売られほとんどの方は個人輸入に頼っているようである。これらの治療および薬剤はいずれも癌細胞だけに固執していて、癌になってしまった身体全体を見ていない。 漢方本来の姿は、人体をさまざまな要素が関連し合って構成された統一体としてとらえ、全体と部分および部分と部分の間の関連性を重視している。そして、臓と臓・体表と内臓・気と血などさまざまなものを相互の関連の中で把握し、局所の癌であっても必ず全身との関連に基づいて中医学的原因を弁別することが根本的な治療への道なのである。 生体の持っている生命力・抵抗力を最大限に引き出し、癌細胞の増殖に負けない免疫づくりこそが必要である。また、抗がん剤や放射線の副作用に対する体力づくりも忘れてはいけない。「邪の湊(あつま)るところ、その気は必ず虚し」「正気内に存すれば、邪は独りにて干(おか)すべからず」と古人は指摘している。気と血・臓と腑・表と裏・陰と陽の平衡状態の回復と、癌が身体を蝕む速度との競争に勝てば癌は治る。 |『漢方の相談室』一覧へ|『癌との闘い』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。