【質 問】大腸癌(がん)は治るのでしょうか〜上
【答 え】

いつも主婦湿疹の漢方薬を処方している女性から質問されたのは、今から6年前の春であった。実は夫が半年前、大腸にポリープが5個できているといわれた。内視鏡により摘出した結果、3個から癌細胞が発見されたという。一応、全部とっておいたがまたできるといわれた。そして今日、医者に行ったところ、また3個できているといわれ来店した。

そのうち1個はグローブのような形をしているので、間違いなく癌であるという。しかし夫は、たとえ内視鏡による手術でも、もういやだといっている。なんとかならないものかと、ずいぶんお困りのようすだった。大腸癌の漢方薬といわれても何種類もあり、ご主人の体質を見ないと処方ができないというと、今度連れてきますのでよろしくお願いします、と肩を落として帰られた。聞くところによると、かなり頑固な方で奥さんの言うことをぜんぜん聞かないそうである。

この方は当時68歳で不動産業を営み、肉が好きで野菜嫌い。高たん白・高脂肪・低食物繊維という大腸癌に多い食生活であった。大腸は盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸からなり、肛門へとつながっている。大腸癌の70から80%はS状結腸と直腸に発生しやすいといわれている。

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※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。