トップページ > 漢方の相談室 > 漢方の相談室Archives > 漢方の相談室~癌との闘い(3) 【質 問】大腸癌(がん)は治るのでしょうか〜下 【答 え】 数日後、68歳になるこの男性が来店された。内視鏡による手術をしたということは、早期癌のたぐいであろうと推察する。進行癌なら入院による手術あるいは化学療法や放射線療法が施されるはずである。 男性の症状は、体調がよいときの便通は正常で、寝不足や力仕事をすると便秘がちになる。肉体疲労がひどいときは排便後にぽたぽたと出血があり、便に血液が混じるときもあるという。肛門の痛みはないが、2、3カ月前から頻繁にこの症状が繰り返され、痔疾と思い肛門科に行った。 日本でも欧米型の食生活が多くなり大腸癌は増加している。大腸がんの初期は進行が緩やかで浸潤や転移は比較的少ないが、特に直腸癌の場合は自分で痔と決め込み、発見が遅れる傾向がある。また、切除のあと人工肛門になることが多いので手術を拒否する人も少なくない。 肉食が多くなると大腸に熱を持ちやすくなり、便秘になったり、便のにおいがきつくなったり、大腸の調和が悪くなる。この方には大腸の湿熱を取り去る「槐(かい)角丸」を服用していただいた。服用後3カ月、奥さんに連れられ泣く泣く病院で検査すると、見事にグローブ状の癌が消えていたという。それから5年、ポリープはたまに出るものの元気で槐角丸を飲んでいる。 |『漢方の相談室』一覧へ|『癌との闘い』一覧へ|もどる|次へ| ※これらの『おくすり相談事例』は薬剤師・鍼灸師の福島勇二先生が湘南朝日に連載したコラム『漢方の相談室』より転載したダイジェスト版です。